アイドリングストップ車のバッテリー|型番の読み方と、標準品を入れてはいけない理由

バッテリーの内部構造と型番の構成要素を示す図

アイドリングストップ車のバッテリーは、標準車用と外形が同じに見えるものがあります。端子位置もサイズも合ってしまうため、物理的には付いてしまうのが厄介なところです。

しかし中身は別物です。ここでは型番の読み方と、標準品を入れたときに実際に何が起きるかを整理します。

アイドリングストップ車用は何が違うのか

アイドリングストップ車のバッテリーは、通常の車とは使われ方がまったく違います。

  • エンジン始動の回数が桁違いに多い — 信号待ちのたびに再始動します。1回の走行での始動回数が、標準車の数十倍になることもあります
  • 停止中は放電し続ける — エンジンが止まっている間、エアコンのブロアもオーディオもバッテリーだけで動きます
  • 短時間で充電を戻す必要がある — 次の停止までに、使った分を回収しなければなりません

このため充電受入性能(短時間でどれだけ充電を戻せるか)と、深い放電から回復する耐久性が強化されています。標準車用のバッテリーはこの使われ方を想定していません。

標準品を入れると実際に何が起きるか

入れた直後は普通に動きます。問題は数ヶ月後に出ます。

まず寿命が極端に短くなります。充放電のサイクルに耐えられず、想定より早く容量が落ちます。

そして多いのが「アイドリングストップが働かなくなった」という再入庫です。これは故障ではありません。車両側がバッテリーの状態を監視していて、充電量が足りないと判断するとアイドリングストップ機能を自動的に止めます。次の始動ができなくなるのを避けるための保護動作です。

お客様からは「バッテリーを換えたのに調子が悪くなった」という形で戻ってきます。原因が分かりにくく、説明にも手間がかかる場面です。

型番の読み方

アイドリングストップ車用の型番は、アルファベット+数字+(R)という構成です。

部分 意味
先頭のアルファベット サイズ区分(外形寸法と端子形状) K / M / N / Q / S / T
数字 性能ランク。大きいほど容量・始動性能が高い 42 / 55 / 85 / 95 / 110
末尾のR プラス端子が。無印は左 M-42R

一方、標準車用の型番(55B24L など)は構成が違います。

部分 意味
55 性能ランク
B 短側面の幅と高さの区分
24 バッテリーの長さ(cm)
L プラス端子が左。Rなら右

この2つは別々の体系です。「55B24L」と「N-55」は、数字が同じでも意味が違います。

サイズの対応関係

外形が対応する組み合わせは、おおむね次のようになります。交換元が標準車用の型番で書かれているときの目安に使えます。

アイドリングストップ車用 相当する外形サイズ
K-42 B19(55B19L など)
M-42 / M-55 / M-65 B20(60B20L など)
N-55 / N-75 / N-80 B24(75B24L など)
Q-85 / Q-95 / Q-105 D23(95D23L など)
S-95 / S-110 / S-115 D26(115D26L など)
T-110 / T-115 / T-130 D31(130D31L など)

ただし外形が合うことと、その車に使えることは別です。最終的な判断は車両側の指定に従ってください。

上位ランクへの変更は可能か

同じサイズ記号の中で性能ランクを上げるのは、基本的に問題ありません。M-42指定の車にM-65を入れる、という方向です。容量に余裕ができ、寿命の面でも有利になります。

逆方向、つまり指定より低いランクへ落とすのは避けてください。アイドリングストップの作動条件を満たせなくなる可能性があります。

そしてサイズ記号そのものを変えることはできません。K-42指定の車にM-42は入りません。端子位置(RとL)も同様です。

交換後にやっておくこと

近年の車はバッテリーの劣化度を学習しながら充電を制御しています。新品に交換したあと、この学習値をリセットしないと、車両が「劣化したバッテリー」の前提で充電を続けることになります。

結果として、充電が過剰になったり、逆にアイドリングストップがなかなか復帰しなかったりします。リセットの要否と手順は車種によって異なるため、整備要領書を確認してください。診断機が必要な車種もあれば、一定距離の走行で自動的に学習し直す車種もあります。

ハイブリッド車の補機バッテリーは別物

ハイブリッド車には駆動用の高電圧バッテリーとは別に、補機バッテリーが積まれています。これはアイドリングストップ車用とも標準車用とも異なる専用品です。

型番に「S34B20R」「S55D23L」のように先頭にSが付き、排気口が備わっているのが特徴です。車室内やラゲッジに搭載されることが多く、発生したガスを車外へ逃がす必要があるためです。ここに一般的なバッテリーを付けてはいけません。

WuWAで扱っているアイドリングストップ車用バッテリー

G&Yu NEXT+(コストを抑えたい場合)

アイドリングストップ車で24か月または4万km、充電制御車で36か月または10万kmの保証が付いています。

GSユアサ ECO.R Revolution

R端子タイプも同じシリーズで取り揃えています。長寿命と始動性能を両立させたモデルです。

パナソニック Caos(安心サポート付)

ハイブリッド車補機バッテリー

まとめ

  1. 標準品で代用しない。寿命が縮むだけでなく、アイドリングストップが働かなくなって再入庫になります
  2. 型番は2つの体系がある。「M-42」と「60B20L」は別の書き方です。混同しないでください
  3. 上げるのは可、下げるのは不可。同じサイズ記号内で性能ランクを上げる方向は問題ありません
  4. 交換後の学習値リセットを確認する。車種によって手順が異なります
  5. ハイブリッドの補機バッテリーは専用品。排気口の有無で見分けられます

欧州車のAGM・EFBについては欧州車のバッテリーはAGMかEFBかで扱っています。国産のアイドリングストップ車用とは規格の体系が異なります。

型番の判断に迷われた場合は、お問い合わせより車種・型式と、現在付いているバッテリーの型番をお知らせください。

WuWAでは整備工場向けの価格で取り揃えています。在庫のある商品は運送便の締め時間前のご注文で即日発送(土日祝を除く)です。

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