クーラントの青とピンクは何が違うのか|色ではなく系統で選ぶ

青とピンクのクーラントと、混ぜて沈殿が生じたビーカー

クーラントには緑、青、ピンク、赤とさまざまな色があります。棚に並んでいると「色ごとに性能が違うのだろう」と考えたくなりますが、色そのものに規格上の意味はありません

着色されている理由は、水漏れの発見をしやすくすることと、製品を見分けるためです。判断すべきなのは色ではなく、防錆剤の系統と交換サイクルです。

クーラントの2つの世代

市販されているクーラントは、防錆剤の考え方で大きく2つに分かれます。

従来型 LLC 長寿命型(スーパーLLC)
防錆剤 無機系が主体(ケイ酸塩・リン酸塩など) 有機酸系(OAT)が主体
交換の目安 おおむね2年 おおむね5年または10万km
特徴 防錆効果の立ち上がりが早いが、消耗も早い 防錆剤の消耗が遅く長持ちする

長寿命型が長く持つのは、有機酸系の防錆剤が金属表面の必要な箇所にだけ作用し、消耗しにくいためです。従来型は冷却系全体に皮膜を作るぶん、消耗が早くなります。

色で判断してはいけない理由

態例として、従来型に緑、長寿命型にピンクや青を使うメーカーが多いのは事実です。しかしこれは各社が自主的に決めているだけで、業界の統一ルールではありません

実際には次のようなことが起こります。

  • 同じ色でも系統が違う — 青い従来型と青い長寿命型が両方存在します
  • 色が違っても同じ系統 — 同じ有機酸系で、青とピンクの2色を出しているメーカーがあります
  • 純正とほぼ同じ色の社外品が別系統 — 見た目で合わせると取り違えます

したがって製品ラベルの記載(有機酸系か、交換サイクルは何年か)を確認してください。「純正と同じ色だから大丈夫」という判断は成立しません。

混ぜるとどうなるか

系統の違うクーラントを混ぜると、防錆剤同士が反応して沈殿物やゲル状の塊を生じることがあります。

問題はこれがすぐには症状として出ない点です。生成物は少しずつ蓄積し、ラジエーターの細い流路やヒーターコアを詰まらせます。ウォーターポンプのメカニカルシール部に入れば、そこから漏れが始まります。「クーラントを補充してしばらくしてからオーバーヒート気味になった」というケースの一因になり得ます。

補充のときは同じ製品を足すのが原則です。どうしても手元にない場合、量が少なければ水(できれば精製水)を足す方が、系統の分からないクーラントを入れるよりリスクが低くなります。ただし濃度が下がるため、後で調整が必要です。

色を変えたい場合

系統ごと変更したい、あるいは在庫を1銘柄に統一したい場合は、全量交換にしてください。

単に抜いて入れるだけでは、エンジンブロックやヒーターコアに旧液が3割前後残ります。ここで系統が混ざるため、洗浄剤を使って一度流す工程を挟むのが確実です。

手順としては、旧液を排出 → 洗浄剤を入れて規定時間運転 → 排出して水で流す → 新しいクーラントを規定濃度で充填、という流れになります。エア抜きまで含めて作業時間を見積もってください。

濃度の考え方

クーラントには原液タイプと希釈済みタイプがあります。ここを取り違えると、原液を薄めずに入れて濃度が高すぎたり、逆に希釈済みをさらに薄めて凍結してしまいます。

一般的な濃度は30〜50%です。

  • 濃度を上げる → 凍結温度が下がる(寒冷地向き)。ただし比熱が下がるため冷却性能はやや落ちます
  • 濃度を下げる → 冷却性能は上がるが凍結に弱くなります

寒冷地では地域の最低気温に対して余裕を持たせてください。新潟県のように冬季に氷点下が続く地域では、下限ぎりぎりの濃度設定は避けたほうが安全です。

WuWAで扱っているクーラント

KYK スーパークーラント(希釈済み/有機酸系)

全量交換により通常使用で5年または10万km交換不要の長寿命タイプです。有機酸系防錆剤(ノンアミン)を主体に配合しており、ラジエーターやエンジンの材質を問わず防錆効果を発揮します。

青とピンクは同じ性能で、色だけが違います。入庫車の純正色に合わせて選ぶか、工場で1色に統一するかは運用しやすい方を選んでください。

KYK スーパーグレードクーラント(原液タイプ)

こちらは原液です。希釈して使用します。同じ20Lでも希釈済みタイプとは使い方が違うため、発注時にご注意ください。

冷却系の洗浄・補修

冷却性能を補う添加剤

名前に「スーパークーラント」と付いていますが、これはクーラント液そのものではなく添加剤です。既存のクーラントに加えて使います。

まとめ

  1. 色に規格上の意味はない。判断は防錆剤の系統と交換サイクルで行います
  2. 系統の違うものを混ぜない。沈殿やゲル化が、後から詰まりや漏れとして出ます
  3. 補充は同じ製品で。不明な液を足すくらいなら、少量の水の方がまだ安全です
  4. 銘柄を変えるなら全量交換と洗浄。抜くだけでは3割前後が残ります
  5. 原液か希釈済みかを必ず確認する。同じ容量でも使い方が違います

車種ごとの指定が判断しづらい場合は、お問い合わせより車種と型式をお知らせください。

WuWAでは整備工場向けの価格で取り揃えています。在庫のある商品は運送便の締め時間前のご注文で即日発送(土日祝を除く)、20,000円以上のご注文で送料無料です。

前へ 次へ